ヲタ卒への日々…。

ジャニヲタ卒業に至るまでを記録します。

ジャニヲタ卒業のきっかけ

 

単刀直入に言おう。
 
素敵な男性(Aさん)が現れた。あ、待って。閉じないで。「彼氏が出来てヲタ卒♡」とかじゃないから。
 
 
 
 
 
そのAさんについて紹介を。
 
Aさんは見た目がチャラかった。というか、「好きな歌手とかいる?」と聞かれ、「んー、見た目がAさんみたいな人たちかな。」と言ったところ、Aさんは少し考えて、「5人組かな?」と言った。Jr.担の私は、「あー、まあ。そんな感じ。その事務所の、もっと下の子たちが好き。」と返した。しかし内心では、「うわっ。この人すごい。『自分と見た目が似ている』というフレーズに対して、『ジャニーズ』とマジトーンで答える人がこの世にいるんだ!!!へえええええええ!!!すごいなあ。」と思っていた。だってそんな人周りにいなかったんだもん。わたしずっとスクールカースト底辺で生きてきたから(無駄情)。その日は、「Aさんは抱き枕がないとねれない」ということを聞き出せた(なにしてんの)ということよりも、その衝撃の方が大きかった。
 
また、Aさんには相手がいた。そのことは、Aさんを初めて知ってから1ヶ月後ぐらいに知った。同時に、「愛する女と遊ぶ女は分けろ。」というAさんの名言も人づてに聞いた。
ある日、「今夜、電話できる?」と聞いたところ、「○○がいるからごめんね。家にいるときはできないと思う。」と言われた。「ああ、私はAさんの『愛する人』にはなれないんだな。」と思った。だけど、Aさんに美化フィルターがかかりまくってた私は、そんなこと気にも留めなかった。「Aさんに言われたら何でもできる。」って思った。
 
 
「ジャニヲタやめて、俺のためにたくさん勉強して♡(営業スマイル)」って言われたらどうするだろうって考えた。考えるより前に答えは浮かんでいた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「うん。わかった。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その答えしか浮かばなかった。その時私は少し冷め期で、友達の友達(同担)が自担を観に行ったのに全くときめかなかったらしい、という話を聞いたというのもあって、ジャニーズにそんなに沸いていなかった。ジャニーズに注いだ8年間はこんなにも簡単に捨てられるものだったんだと思い知った。
 
そんな簡単に捨てられるものに時間とお金を費やした自分がバカだと思えた。自分を1番に愛するわけがないと分かっている男にさえ、ジャニーズを捨てて近づきたいと思うなら、私にとってジャニヲタでいることって、そのくらいのものだったんだな、って思った。
 
 
 
 
いつもならここで、「でも、どうせ男に捨てられたらまたジャニーズに現実逃避しだすし。」と考えを改めてジャニヲタの沼に深くハマっていくわけだが、ちょうどまたいいタイミングでこの記事を読んだ。↓
 
最後らへんの、「何年も経ってから、過去の自分に…」というフレーズに胸をうたれた。このとき私は、隣にいる男=Aさんとして(まあ実際隣にはいないけども)このフレーズを受け取った。そうか。そうなのか。
 
「Aさん>ジャニーズ」という不等式が、
「自分≫Aさん>ジャニーズ」となった。
今まで8年間、
「ジャニーズ≫全人類≫自分」みたいなスタンスで生きてきた私にとって、まさに、「革命か!?」だった。
「自分≫Aさん>ジャニーズ」となってしまえば、
「自分≫ジャニーズ」となるのは明らかである。自分にお金と時間を費やそうと思った。
 
 
 
 
 
 
 
 
同じ時期に、この記事を読んだ。↓
この方は、美容によって自信をつけるらしい。すごいな、と思った。そして化粧品でも買いに行こうと思った。綺麗な店員さんがいた。
 
「どういったものかご希望はありますか?」
と問われたが、全く思い浮かばなかった。こんなにも自分は美容に関心がないのかと呆れた。店員さんも困っていた。とりあえず、
「美白のものを。」
と答えた。
 
店員さんが私の左手に美白効果のあるという化粧水を、コットンを使ってつけてくれた。1本5000円だった。「うわ。買えない。」反射的にそう感じてしまった。
 
しかし、本当にそうか?本当に買えないのか?財布の中には5000円以上入っているぞ?肌の色がワントーン変われば、Aさんと話すときも少しは自信が持てるかもしれないぞ?お金があるのに「高い。」と感じてしまう私のこの反射神経の原因は何なんだ?
 
ああ、そうか。わかった。あれだ。100円のジュースと160円の写真1枚を天秤にかけながら生きてきた8年間の呪縛の名残だ。ああ、そうか。わかった。毎月5誌を買っていたお金は無駄だったんだ、と思った。
 
この感情は、毎月ちゃおを買っていた小学生の頃の自分に対して、中学生の頃の私が抱いた感情と似ていた。
 
「本当にバカだった。ただの紙なのに(言い過ぎ)。でも、当時はそれが私のすべてで、買うことによって自分を保って、それ以外に何をしたら正解なのかわからなかったんだよね。うんうん。でも、今の私だったら買わないな。だって、少し成長したんだもん。」と。
 
5誌を1年分買うお金があれば、お高い化粧水1年分なんて、安いもんである。雑誌よりも化粧水が欲しいと思った私は、ヲタ卒を決意した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その日、家に帰って、ジャニーズに使った金額を計算してみた。ヲタ卒するにはこれが効くって聞いたから。形が見えるものだけで、320000円はあった。32万円。切り抜いた雑誌、奥にしまってある映画関連、収納ケース、コンサート準備代などを含めると、40万は超えるだろう、と思った。「そんだけ?」と思う方もいらっしゃるかもしれない。1公演に何十万を出す方や、十何年、何十年とヲタを続けている方にとってみれば、小さな金額かもしれない。だけど、世間で言う「青春時代」の8年間を40万円とされるのは、辛い、と思った。だからといって、いくらだったらいいとは言わない。「時間はお金じゃ買えない。」を痛感した。
 
 
だけど、ジャニーズからもらったものは、40万円ぶんの商品だけではない。
ジャニーズが好きというキャラで学校の友達に覚えられて話が広がったこと、ジャニーズが好きということで知り合うことができた友達(リアルとネット含めて)、ジャニーズについて友達と熱く討論した時間、ジャニーズを見て笑ったこと、泣いたこと、感動したこと、落ち込んだことは、それこそお金に変えられない、私の青春の一部であったと思いたい。
ジャニヲタになってから得たスキルもたくさんある。節約を第一に考え、ポイント5倍の日にしか買わないこと。Amazonタワレコと地元のお店を比較して一番お得な買い方を研究すること。Twitterを使うこと。女の子に対しては思っていなくてもお世辞を言うこと。メルマガを購読すること。ブログを書くこと。ネットでの友達も悪い人ばかりではないということ。いろんな背景を背負った人が同じ対象を応援するということがあるということ。ここには書ききれないほど、たくさんのことを知ることができた。ありがとう。
母親が単身赴任で家にいない時期、毎晩少クラを何回もリピっていた。それが心の支えになっていたのは言うまでもない。心の支えって、多分お金では買えない。お金では心は動かない。あんなに弱かった私を、「合格したらたくさん遠征して会いに行くんだ!」という気持ちだけで受験合格へと導いてくれた自担には、本当に感謝している。
ジャニヲタになって数年経つと、他人の気持ちを推しはかることが少しできるようになった。「私のジャニーズに対する熱量と同じくらいの熱量でおそらく相手は何かを訴えているんだ。」と考えることで、他人の意見を尊重したり、自分より他人に譲ったりすることができるようになった。それは、もう本当に、「ジャニーズが好き!」という自分の熱を自覚するほど、夢中にさせてくれたあなたたちのおかげである。本当にありがとう。
そして、自分と同じ年代の人々が、時には理不尽な運命に翻弄されながらも、切磋琢磨して上を目指し続ける姿をたくさん見せてくれてありがとう。舞台裏の努力を隠して、いつもかっこよく、かわいく、セクシーに、表舞台に立つあなたたちをとても尊敬しています。ヲタを辞めても、ずっと尊敬しています。YOUたちはすごいよ。
 
 
 
でも、もう、いいかな。たくさんみたもん。担当の初めての映画、ドラマ、バラエティ、グループ結成をタイムリーにみることができて、とても幸せでした。その時の喜び、バラエティに呼ばれなかった時の心配、それら全てが宝物でした。ありがとう。あなたの笑顔はいつまでも忘れません。あのタイミングであなたを好きになれたことに本当に感謝しています。もっとあなたの担当になるのが遅かったら、あなたと違う人の担当になっていたら、と考えると、運命に感謝せずにはいられません。本当にありがとう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私には、まだ何十年という人生が残っているはずだ。自分のために使ってもいいのではないかと思った。